犯罪・刑事事件の解決事例
#個人再生

費用を分割払いで対応することで無理なく個人再生手続をすすめることができた例

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中谷 正太 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人フレア法律事務所福岡オフィス
所在地福岡県 福岡市博多区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

ご依頼者様は、住宅ローンの他、約730万円の負債がある方でした。ご依頼者様には、小学生と中学生のお子様がいらっしゃるとのことでしたが、中学生のお子様が高校に進学するにあたり、学費をどのように工面するか考えていたところ、返済が家計を圧迫していることを改めて認識し、債務整理手続きを取られることを考えてご来所されました。ご相談いただいた際、住宅ローンを含む借入れの状況、ご家族の状況、財産状況等を分る範囲でお伺いしました。また、ご相談に来られる前から手続きをとるとしたら個人再生手続と決めていらっしゃったこともあり、個人再生手続をとったとして果たして実効性があるのか、という点についてもシミュレーションしていきました。事前に生活状況等をしっかり把握されており、ご相談の際にしっかりとお伝えいただいたことである程度確度の高いシミュレーションをすることができ、この段階で何らかの手続をとらないと早晩家計が回らなくなるものの、このタイミングで個人再生手続をとれば十分に間に合う、ということが明らかとなりました。この時点で1つ問題だったのは、債権者から訴訟提起がされるリスクでした。通常、ご依頼をいただいたら弁護士から債権者に連絡を入れ、ご依頼者様への請求を止めさせます。これにより、ほとんどの債権者はご依頼者様ご本人への請求を止めます。しかし、既に進行している裁判は止まりませんし、まだ裁判がされていないとしても、債権者側で裁判をすることはできます。多くの債権者は手続きの進行を注視するにとどまりますが、いくつかの債権者は弁護士からの連絡から間もなく裁判を提起してきます。裁判を提起されるだけであれば適切に対応すればよいのですが、その裁判についての判決が確定すると、次は強制執行がされる可能性が出てきます。強制執行にも様々ありますが、個人再生手続で注意しないといけないのはお給料に対する差押えです。これがされると個人再生手続の申立てまでの家計状況が著しく悪化しますから、手続を維持できるか非常に危ぶまれることになります。この債権者による訴訟提起やお給料に対する差押えを回避する方法は速やかに申し立てをすることです。そのためには、弁護士がスピーディーに動くとともに、ご依頼者様への的確な協力要請、ご依頼者様にも手続に十分協力していただく必要があります。これに加えて、今回は、弁護士へご依頼いただくための費用がとてもすぐには工面できないということで、申立てまで時間がかかってしまうリスクが生じました。そうすれば、当然、裁判を提起されるリスクは高まり、お給料に対する差押えが現実味を帯びてきます。経験上すぐに裁判を起こすだろうと思われる債権者からもお借入をされていたからです。

解決への流れ

ご相談において事情を十分に把握し、速やかに申立てをしないといけないというところまで把握しました。そこで、個人再生手続の申立てに必要となる弁護士へご依頼いただくための費用を分割払いで対応させていただくことにしました。具体的には、まず、ご依頼をいただいた時点で債権者に対しててご依頼をいただいた旨を通知し、請求を止めます。同時に、債権者が裁判を起こしてくると思われる時期を推測し、その直前に個人再生手続を申立てるスケジュールを策定し、共有します。そして、その数か月の間のお給料等から弁護士にご依頼いただくための費用を分割でお支払いいただくという方法を取らせていただきました。このように対応することで、弁護士にご依頼いただくための費用を一括でご準備いただくご負担を減らせるとともに、債権者から裁判を起こされ、お給料を差押えられるというリスクを最小にすることができます。本件においては、想定よりもほんの少しだけ早く裁判を起こされました。事前にスケジュールを共有していたことで、ご依頼者様には冷静にご対応いただき、また、スケジュールを前倒しして個人再生手続を申立てることができました。これによって、タッチの差で債権者側からのお給料に対する差押えを回避することができました。以後、裁判所の審理も問題なく進み、最終的にはほぼ予定どおり、認可決定を得ることができました。

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中谷 正太 弁護士からのコメント

「金銭的に困っているのに弁護士費用まで工面しないといけないなんて…」お借入に関するご相談では弁護士に対する費用がネックになる場合が少なくありません。我々弁護士としても、ご依頼いただく以上費用をちょうだいせざるを得ませんが、一方、ご相談者の方におかれても返済を滞らせるわけには行かないのにそれに加えて弁護士へ費用を払わないといけないとなると、金銭的負担は倍増します。そもそも、金銭的負担を軽減するために弁護士への以来を考えていらっしゃるのに、です。フレア法律事務所において、この一見相反する点を柔軟に考え、費用の分割払いに対応しておりますし、ご相談の際には、弁護士から分割払いのご提案をさせていただくこともあります。解決のための一助となれば幸いです。-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-借金問題を始めとする法的紛争では、あちらを立てればこちらが立たず、という場面に遭遇することがよくあります。たとえば、本件のように費用を分割払いとすると債権者からの訴訟提起・給与等の差押えが現実化するような場合です。今回は、訴訟提起がされたものの、差押えがされることなく手続きをすすめることができました。ご依頼者様が冷静にごお対応いただいたことが大きな要因ですが、弁護士において訴訟提起のリスク、その時期の見通しを事前にお伝えできていたことも要因の一つだと思われます。それらをひっくるめてご依頼者様との信頼関係の勝利と言えるのではないでしょうか。