この事例の依頼主
男性
相談前の状況
高齢のご家族が自転車にて走行中に後方から来た四輪車に接触され、転倒し、高次脳機能障害を伴う後遺障害が残存したという方からの相談でした。受任時点で相手保険会社からは既払いの治療費等の他に920万円という金額の提示がありましたが、裁判例などに照らし増額の余地があると判断し、受任となりました。また、相手保険会社からは被害者側にも10%の過失があるという主張がなされていたため、これを当方過失0%とすることを目標としました。
解決への流れ
●損害額について相手保険会社からの当初提示では後遺障害慰謝料がかなり低く算定されていたため、裁判所基準額を請求し、適正な金額が賠償されるようにしました。●過失割合について捜査機関作成の記録を入手した上で、資料から読み取れる事故状況からすると、明らかに事故の発生は四輪車側の不適切な運転が原因であり、自転車側には事故を回避する術がなかったことを相手保険会社に主張しました。相手保険会社も何度も反論を行いましたが、最終的には当方の過失0%に同意することとなりました。最終的に、当初の相手提示額から約330万円増額とすることができました。
特に慰謝料額については、最初に相手保険会社から提示される金額はいわゆる「自賠責基準」や「任意保険会社基準」によって算定されたものである場合が多く、弁護士委任によって増額させることができるケースが少なくありません。相手保険会社から賠償額の提示を受けた際には、まずは金額の妥当性をチェックしてもらうところから弁護士に相談して良いと思います。本件では、相手保険会社からの提示額を受けて相談をいただいたことで、より望ましい結果を得ることができました。