この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
自転車を運転していたところ、自動車と衝突して死亡した事案。刑事手続きでは自動車運転者の過失が認定されず不起訴処分となった。民事手続きでも両当事者間において過失割合が争いとなり、自動車側の保険会社は低い賠償額しか認めなかった。
解決への流れ
民事裁判に移行した本件は、自動車運転者側から債務不存在確認訴訟(支払の義務がないことの確認を裁判所に求める訴え)が提起され、被害者の遺族側から損害賠償請求訴訟(損賠賠償の支払いを求める訴え)が起こされた。事故時の状況等について主張・立証を尽くした結果、裁判所から自動車運転者側にも相応の過失があったことを前提とする和解案が提示され、保険会社が主張していた損害賠償額よりも増額された和解金にて終結した。
刑事手続きで自動車運転者の過失が否定されても、民事手続きでは異なる判断が示されることもあります。また、本件は判決ではなく和解で終結したことにより、和解条項のなかに、自動車運転者が、お亡くなりになった方やそのご遺族のお気持ちに配慮する旨の条項を挿入することができました。事故時の過失割合について激しく争いましたが、ひとりの人間がお亡くなりになったという事実、それによって多くのご遺族さまが悲しまれているという事実について、両当事者納得のうえで、少しでも寄り添った解決となることができたかと思います。