ご依頼者様のお父様がお亡くなりになられ、お母様、お兄様及びご依頼者様が相続人となっていました。お父様の遺産について遺産分割を行おうとしたところ、お母様及びお兄様とご依頼者様が対立し、当事務所にご相談に来られました。遺産分割についてご依頼を受け、ご依頼者様の代理人として協議を行っていた途中でお母様もお亡くなりになられましたが、お母様はお兄様に財産全てを相続させる旨の遺言書を作成していました。お父様の遺産についてご依頼者様が４分の１の法定相続分があり、遺留分減殺請求の結果としてお母様の遺産について４分の１の取得分があることは争いがありませんでしたが、お父様の遺産及びお母様の遺産の金額について争いとなりました。当初お兄様はご依頼者様が７００万円取得することを提案しましたが、ご依頼者様は納得せず、お兄様を相手方として、お父様の遺産について遺産分割調停及びお母様の遺産について遺留分減殺請求調停を起こしました。

当方は、お兄様の代理人弁護士に対して、お父様の預貯金口座やお母様の預貯金口座を開示するよう求めましたが、一部しか開示されなかったため、ご依頼者様に心当たりのある金融機関に調査を行い、お父様名義預金口座の取引履歴及びお母様名義預金口座の取引履歴を取得しました。その調査の結果、お父様の預金口座から多額の金員が出金されていましたが、出金日と同じ日に出金された金額と同じ額の金員が同じ金融機関のお母様の預金口座に入金されていることを突き止め、証拠提出しました。その結果、お兄様もお母様がお父様の預金を取り込んでいたことを認め、取り込まれていた金員についてはお父様の遺産として取り扱うことになりました（お父様の遺産として取り扱われる方がご依頼者様の取り分が増えることになります）。これらの活動の結果、ご依頼者様はお父様の遺産及びお母様の遺産の中から約２０００万円取得することができました。