この事例の依頼主
40代 男性
相談者様は、住宅の修理業を営んでいる個人事業主であり、事業用に使用する車両で住宅の修理を行っていました。しかし、相談者様は住宅修理のため、大きな国道を走行していたところ、道路外から国道に進入してきた相手方車両が、左右確認をせずに進入し、相談者様の車両に衝突しました。そのため、相談者様の車両は修理を余儀なくされ、事業用の他の車両がないため、車両を使用しての修理を受注することができず、修理期間中の休車損害が発生しました。相談者様は、修理期間中の休車損害を相手方保険会社に求めましたが、保険会社は、修理期間が相当な期間でないこと、休車損害が発生したとは認められないことを主張し、相談者様の主張する休車損害額の賠償に応じませんでした。そして、相談者様と保険会社の話は平行線のまま、数か月が経過し、相談者様が他の弁護士に相談したところ、他の弁護士も休車損害の賠償を求めることに難色を示しました。そこで、事故から約1年が経過した段階で、当事務所に休車損害を含めての賠償請求を依頼しました。
まず、相談者様に対し、車両の修理期間や受注できなくなった修理について、詳細に聴取を行いました。そのうえで、受注できなくなった修理について、発注先が発行している修理依頼書を相談者様から取得し、車両の修理と因果関係の認められる発注を休車損害として、相手方保険会社に請求を行いました。もっとも、交渉のみでは、保険会社が任意に支払うことはないと予測していたため、同時に訴訟手続きの準備を行い、交渉が難航した時点で、訴訟提起に踏み切り、裁判所を介しての支払を求めました。訴訟では、車両の修理と受注できなかった修理の因果関係が主に争点となりましたが、最終的には、一定の休車損害、車両の修理費用やレッカー代を含め、相談者様の納得のいく金額での和解を取り付けることに成功しました。
休車損害は、因果関係や損害額について争いになることが多く、また、請求する側がこれらを立証(証明)しないといけないため、請求の難度が高い分野です。そのため、弁護士によっては請求自体に難色を示すこともあります。適切な証拠を取得し、取捨選択するためにも、専門家である弁護士に依頼する必要性は大きい分野といえます。また、弁護士に依頼せずにご本人様で保険会社と交渉をした場合、訴訟手続きに踏み切れないため、修理費用等を含めて賠償を受けられないまま時間だけが経過してしまうということになりかねないので、迅速な賠償を受けるという意味でも弁護士に依頼するメリットはあります。