14976.jpg
忘年会で「U.S.A」「ひょっこりはん」の強要…パワハラじゃないの?
2018年12月21日 09時47分

もうすぐ忘年会シーズン。部署や若手で「出し物」をする会社もあるのではないでしょうか。中には「やりたくないのに半ば強制的にやらされる」と悩んでいる人もいるようです。

都内の広告関連会社に勤めるミノリさん(仮名・20代)は、先日行われた忘年会がトラウマになっています。かぶり物など手軽なモノマネを考えていましたが、上司は「それじゃ面白くないよ!」と却下。「ひょっこりはん、やんなよ」と全身タイツで人気のお笑い芸人の真似をするよう言われました。

結局、白い目で見られながらなんとか断り、裏方を買って出てなんとか逃れました。ミノリさんは「時間の無駄すぎる。(出し物をノリノリでやるのが苦じゃない)リア充は怖い。押しつけてくるなんて、いじめっ子の発想ですよね」とこりごりの様子ですが、新年会の準備もすでに始まっているそうで、戦々恐々としています。

ツイッターでも「若手なので忘年会でUSAやります...」「忘年会でUSAを踊らされるのだが、練習がだるすぎる」と、今年大ブームになった音楽グループDA PUMPの「U.S.A」についてのつぶやきが散見されました。

会社の忘年会で出し物や余興を強要することは、パワハラにならないのでしょうか。

もうすぐ忘年会シーズン。部署や若手で「出し物」をする会社もあるのではないでしょうか。中には「やりたくないのに半ば強制的にやらされる」と悩んでいる人もいるようです。

都内の広告関連会社に勤めるミノリさん(仮名・20代)は、先日行われた忘年会がトラウマになっています。かぶり物など手軽なモノマネを考えていましたが、上司は「それじゃ面白くないよ!」と却下。「ひょっこりはん、やんなよ」と全身タイツで人気のお笑い芸人の真似をするよう言われました。

結局、白い目で見られながらなんとか断り、裏方を買って出てなんとか逃れました。ミノリさんは「時間の無駄すぎる。(出し物をノリノリでやるのが苦じゃない)リア充は怖い。押しつけてくるなんて、いじめっ子の発想ですよね」とこりごりの様子ですが、新年会の準備もすでに始まっているそうで、戦々恐々としています。

ツイッターでも「若手なので忘年会でUSAやります...」「忘年会でUSAを踊らされるのだが、練習がだるすぎる」と、今年大ブームになった音楽グループDA PUMPの「U.S.A」についてのつぶやきが散見されました。

会社の忘年会で出し物や余興を強要することは、パワハラにならないのでしょうか。

●パワハラに該当する可能性が高い

大山弘通弁護士は「これはパワハラに該当する可能性が高いです」と指摘します。

「パワハラが何かについては、厚生労働省が2018年3月『職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会』報告書として発表したものが参考になります。

この報告書では、パワハラを、(1)優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること(2)業務の適正な範囲を超えて行われること(3)身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、という3つの要素を満たすものと整理しています。

いわゆるパワハラ裁判における裁判所の判断も、おおむねこの3つの要素で判断するものが多いといえるでしょう」

パワハラかどうかは、上記の3要素が鍵になるということだ。忘年会で出し物を強要された場合は、どうだろうか。

「上司がミノリさんに対して忘年会で行った行為は、優越的な関係に基づいており(1)に該当し、全身タイツの格好で人気芸人の真似をさせるという身体的若しくは精神的な苦痛を与えている行為といえそうです(3)。

また、忘年会での出し物や余興は、業務の適正な範囲ともいえない場合がほとんどでしょう。その意味で(2)にもあたると言えます。

ちなみに、『優越的な関係に基づいて』という要素については、上司が部下に対して行う嫌がらせが想定されることが多いと思いますが、同僚による嫌がらせ、部下の上司に対する嫌がらせも考えられます。

この件をきっかけに同僚が無視をする行為、部下が特定の上司(ミノリさん)に対する指示のみ全く従わないなどの行為もパワハラに該当しうるでしょう」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る