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劣悪すぎる!バス運転士の労働環境 プレハブ待機所はエアコン故障、水の流れないトイレ…なんとかならないの?
2024年02月25日 10時22分

待機所をなんとかしてほしいが、会社に聞き入れてもらえないーー。バスの運転士から、弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられている。

相談者の勤務先では、休憩のための待機所がプレハブ小屋でエアコンはまったく効かず、照明も壊れているという。トイレは仮設のもので1年以上前から壊れており、水が流れないとのことだ。やむを得ずに、外からホースを使って流しているという。

改善を訴え続けているが、会社は何年も放置しているそうだ。法的に問題はないのか。村松 由紀子弁護士に聞いた。

待機所をなんとかしてほしいが、会社に聞き入れてもらえないーー。バスの運転士から、弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられている。

相談者の勤務先では、休憩のための待機所がプレハブ小屋でエアコンはまったく効かず、照明も壊れているという。トイレは仮設のもので1年以上前から壊れており、水が流れないとのことだ。やむを得ずに、外からホースを使って流しているという。

改善を訴え続けているが、会社は何年も放置しているそうだ。法的に問題はないのか。村松 由紀子弁護士に聞いた。

●規則違反は明らか

ーー労働安全衛生法などの観点から、法的に問題はないのでしょうか。

労働安全衛生法上、事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置を講じなければなりません。

細かい規定については、事務所の一部を休憩所として利用している場合であれば事務所衛生規則という規則に基づきます。「休憩のための待機所のみがある」という場合であれば、この規則ではなく、安全衛生基準規則に基づくことになります。

安全衛生基準規則は「冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない」「照明設備について、6カ月以内ごとに1回、定期に点検しなければならない」となっています。トイレについても「汚物が土中に浸透しない構造とし」「便所及び便器を清潔に保ち、汚物を適当に処理しなければならない」と規定しています。

今回のエアコンがきかない・照明の壊れた休憩所や仮設トイレは、これらの規則に反しています。なお、同規則違反には、罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)があります(労働安全衛生法119条)。

これに加えて、道路運送法も問題となります。同法は、バス会社に対し、バス運転士が休憩するための施設を整備するよう求めています。今回の場合、トイレや照明などの重要な設備が壊れていますので、会社が施設の整備を怠っていることは明らかです。

●行政窓口に通報を

ーー会社側に訴えても改善されないそうです。どう対応すべきでしょうか。

会社の法律違反が明らかですので、行政へ通報するのが良いでしょう。

安全衛生基準規則違反については、労働基準監督署へ連絡することが有効です。罰則がある違反行為ですので、労基署は積極的に動いてくれるはずです。

道路運送法違反については、国土交通省公益通報等受付窓口が良いと思います。

一般的に、路線バスや高速乗合バスを運行する事業をおこなうためには、「一般乗合旅客自動車運送業」として国土交通大臣の許可を受けなければなりません。許可申請をおこなう際、バスの運転手や乗務員の休憩、仮眠又は睡眠のための施設の概要を記載した書面を提出することとなっています。

行政は、許可申請時の書面を保管していますので、相談者さんの会社の申請時の書面と、現実の状況に食い違いがあれば、会社に対して指導をしてくれると思います。

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